突然知らない人を養わなければいけないらしい
大学の授業というものは90分で構成されている。そして80分も経過すれば、大概飽きる。そんなタイミングで50過ぎの教授(小洒落たミモザ柄のネクタイをしていたが娘がくれたのだろうか)が突然聞いてきた。
”病の人を救いたいですか?”
”もし、あなたが目の前にいる重症患者の命を救う薬を持っていたとします。助けたいですか”
なにを言っているの。愚問じゃん。
あなたの目の前に座っている学生たちは薬学生だぞ!医療の道を志しているんだよ!。
変なこと聞いてないで、授業が終わったのなら、さっさと帰らせてよ。
”その患者は、この薬で命は救えますが、外で元気に運動することはできません”
”外へショッピングへ行くこともできないかもしれません”
だからなんなの。外で遊ぶことができないなら、やっぱり治療は大丈夫です。なんていう人がいるの。ショッピングがその患者さんの人生すべてなの。先生、あなたは病んでいるの。命とは何かを考え続けて涅槃に入ってしまったの。
”その患者さんは働くことはできません”
”その患者さんが生きていくためのお金は税金から支払われます”
”助ければ助けるほど、国が養わなければいけない人が増えていきます”
……そういうことか。なるほどね。
命は何よりも大切だと思うけど、命が救われればすべてが良い方向に進むわけでないことも確かですよね。医療費削減、最近毎日聞きますよね。
”あなたが助けた患者さんは、あなたたちが養わなければなりません”
”でもあなたたちは医療人です”
私にはムズカシイ、とりあえず、あれだ、スタバ行こう。
ストロベリーフラペチーノ飲んでから考えよう。