聖なる怠け者の冒険
なんともふわふわとしたお話
展開が気になって眠れない!でもなく、暇なときに読もう、でもない。
寝る前や電車に乗ったときに、今だ!と読みたくなるような本。
森見登美彦氏の作品に出てくる人物は皆、内に怠け者が潜んでいるが、今回の登場人物は内なる怠け者を内に秘めようとせず、力強い行動力のモチベーションはグウタラ怠けることというなんともアンビバレントなお話。
始まりから中盤くらいまでは、
怠け者たちによる京都でのゆったりとした猛追劇が繰り広げられ、
中盤からはファンタジー作家森見登美彦の真骨頂ともいうべき、ニセ京都での森羅万象が乱れいるパラレルワールドが展開。
夜は短しや四畳半と違って、主人公が愛すべき阿呆ではなく、愛すべき怠け者ということで、雰囲気が少し違って感じるのもなんだか新鮮。
李白といい、古本市の神といい、今回の八兵衛明神といい、森見登美彦氏が作り出す神様はどうしてこんなにかわいらしいのでしょう。
森見登美彦氏の新作、『熱帯』のサイン会も発表されましたね!
今回は、大阪、東京ということで、私もぜひ参加したいです。