ハムスターほど脳みその容量が少ないとむしろ知能指数は高い気がする
先日ぼーっとハムスターを眺めていた。
なぜか魅きつけられた。見知らぬ顔がカゴのすぐ外に突然現れてじっとこっちを見ていることに警戒していたのだろうか、ずっとそわそわしていた。
歩き回ったりカゴをよじ登ったり、時には顔を洗うようなそぶりをしたり。
カゴの中には数匹のハムスターがいた。
1匹のハムスターがカゴをよじ登っているその隙に、もう1匹のハムスターがその真下にうずくまった。1匹はまっすぐ天井を見上げ、1匹はじっと床を見つめている。おそらくお互いの存在に気がついていないのではないか。
案の定、カゴを登っていた方が地面に降りてきた時、着地したまさしくその足場にもう1匹がいた。
顔を踏みつけられても、おそらく全体重が一瞬 ほっぺたあたりにかかっていたが、まったく怒らない。
怒りの感情がないのか。そもそもどんな感情が今この瞬間 浮かんだのだろうか。
ハムスターにも痛みを感じる神経はある。痛みを感じると暴れるし悶える。
では、今の出来事は。
今のは完全にお互いにとって不慮の事故だった。一方にとっては未必の故意であっただろうか。とにかく、痛い思いをしたのは床を見つめていた方で、悪いのは天井を見上げていた方だ。
私は人間の中では穏やかな性格をしている方である。相手から悪意のない被害を受けても怒らないし、そもそも怒りの感情が沸き起こらない。
床を見つめていたハムスターと同じではないか。
どちらかが悪いわけではない状況下で、自分だけ被害を受けた。しかし、そこは冷静に相手に非はないことを理解し、相手に怒りをぶつけることは見当違いであることを認識してしている。
実際はそんな場面に遭遇したら、そんな思考回路は辿らないどころか、なんの感情も浮かばない。
一言。あー、大丈夫です。
服を汚されたり怪我をさせられたりしたら洗濯が面倒だなとか傷痕が消えるまでどれくらいかかるかな、とは思うがそれでも怒りは浮かばない。
おや、やっぱり なんの感情も浮かばないのではハムスターと同じではないか。
もちろん、床を見つめていたハムスターが天井を見上げていたハムスターには非がないことを理解し、相手に怒りをぶつけることは見当違いであることを認識してある可能性もなくはない。いや、やっぱりないだろう。だって脳みそがあんなに小さいのだから。
ではやっぱり、私はハムスターとは違うのか。
まあ、小学生の頃から勉強しろといわれ、塾にまで通わされていたのに、ハムスターと同じ知能指数だとは言われたくはない。
それはさすがに私でも怒っちゃう。